前回の続きです。
現地調査のコツです。
「気になる部分を全て写真で撮って後で見直す。」
では、その「気になる部分」とは、どういう部分か?
2つのポイントがあります。
【ネガティブポイント】と【ポジティブポイント】。
【ネガティブポイント】とは、
この物件を維持するために
最低限やらなくてはならないリフォーム箇所。
ご入居されているお客様は、
これから長い間この物件に住んで生活していくわけです。
家主として居住空間を提供して
家賃という対価を受け取っています。
すなわち、生活する上で支障が無いレベルに
物件を維持する義務が家主としてあります。
例えば、どこか雨漏りがしていたとか、
階段が壊れて少し危ない状態だったとか、
電気ガス水道のライフラインが止まっていたとか、
掃除もしていないのでゴミだらけでかなり汚いとか、
こういった、建物を維持していくための最低限の部分に
必要となると思えるリフォーム箇所にポイントを置いて
写真をドンドン撮っておくことです。
もう少し、具体的には、
外観部分としては、建物を見回してみて
気になる汚れや、
錆びている部分や、
ひび割れ(クランク)している部分や、
手入れがされていないような汚い部分、
物件周辺の雑草などの処理状況、
鉄板の階段部分が錆びて朽ちていたり
柱の下の部分が切れていたり、
各居室の扉の部分が錆びついていないか等々。
また、室内を拝見できるならば、
壁紙(クロス)の汚れ、
フローリングの傷や汚れ
キッチン自体が使用できるのかどうか
トイレやお風呂場は破損や不具合はないか
水回りは大丈夫そうか、
畳なら畳替えはすべきかどうか
ベランダの汚れや傷
エアコンや給湯器等の設備は使えるかどうか等々。
最低限、自分がここで生活できるかどうか
を念頭に入れて気になる個所をチェックして撮影します。
あなたが男性であるならば、
チェックの基準を女性目線にした方がもっとベストです。
自分の奥さんがここに暮らすとしたら、
どこが気に入らないって言うかなとか、
女性目線での気に入らないチェックポイントを
自分なりにイメージしながらバシバシ写真を撮ります。
この【ネガティブポイント】ですが、
これは建物維持には絶対にやらなくてはいけない修繕です。
最低限必須条項です。
購入した後、まず、すぐにお金がかかる箇所です。
この辺もしっかり考えて購入します。
いわゆる、「築古のボロ物件」の不動産になると
この修繕必須のリフォーム箇所が結構あります。
つまり、物件の売買金額だけではなく、
このリフォーム金額も足して計算しておかなくてはなりません。
その上で、売り主さんに交渉して
リフォーム費用分を値引いてもらうとか、
リフォームしてもらってから引き渡してもらうとか、
または、銀行の融資額もリフォーム分を足して
借入できるかどうかを交渉してみる等、
色々と計算して交渉してみてOKなら良いですが、
そうじゃなければ買わない。
この様に、色々な判断ができます。
建物を維持していく上で必須条項なだけに
少し厳しめで判断しておいた方が良いです。
なので、なるべく厳しめの女性目線でチェックして
写真を撮っておいた方が良いのです。
実際に、交渉の材料としてはよく使います。
建物を維持する上でそんなに影響がない箇所であったとしても
こんなに大きな傷があると入居募集にも影響しそうだから
修理して欲しいとか、値引きできないかとかの理由になりますし、
融資交渉も、これらのリフォーム箇所を含めて売価以上の金額の
借入ができないかとオーバーローンの話の理由付けにもなります。
しかも、写真まであるんですから話もしやすいです。
銀行や売主さんへの交渉方法は後でお話ししますが、
きちんとした理由があっての交渉ですので
真摯に話ができるはずです。
テキトウに指値だけしてやろうと思って
単純に500万円値引けって言っても
売主さんも足元を見られる様な嫌な気持ちになって
全く話に応じてくれなくなる可能性もあります。
また、銀行もあまりリフォームのことばかり出すと、
そんなオンボロ物件みたいなもの買って大丈夫ですか?
って、言われちゃいます。
コツは、あくまでもサラッと話して
しかも証拠の写真まで付けることによって、
自分がどんだけ科学的に分析してビシッと経営できるか
を銀行担当者にアピールできれば十分です。
それ以上、クドクド言うと、お金を多く借りたいだけで、
本当はお金を持っていないダメなビジネスマンじゃないか
って思われちゃいますので気を付けて交渉しましょう。
と、いうように、ネガティブポイントの写真を撮っておくと
後々、色々と交渉の場面でかなり使えるようになってきます。
◆今日の公式◆
「【ネガティブポイント】を意識して写真を撮る。」
そう言えば、写真撮影のポイントって2つあるんじゃ?
ネガティブポイントとポジティブポイント
じゃ、ポジティブポイントって何?