前回の続きです。
【売買価格<積算評価】
◆不動産投資の公式 ~積算評価~◆
【積算評価=土地の値段+建物の値段】
銀行評価である積算評価を求めるには
土地と建物の公的な値段を出す必要があります。
【土地の評価=土地の面積☓相続税路線価】
次に、「積算評価」の建物の評価です。
では、公的な【建物】の値段とは?
【建物評価=再建築価格☓延べ床面積÷法定耐用年数☓残存法定耐用年数】
建物の延べ床面積は大丈夫でしょうか。
全フロアの全ての床面積のことです。
通常、販売図面に記載されています。
「再建築価格」(再調達価格)とは、
評価の対象となった家屋と同一のものを、
評価の時点において
その場所に新築するものとした場合に必要とされる建築費です。
これも税務上の1㎡あたりの建物評価に使われる基準です。
中古の建物の値段はまちまちです。
全く同じ建物でも、建築した場所や経年劣化していった場合、
市場価値として、同一の金額にはなりません。
でも、新築時の価格は都会でも田舎でも同じ金額であるべきです。
そこで、市場価値とは別に、
税務上、同じ建物であれば同じように課税されるような基準を作りました。
建物の構造と竣工年に分けて1㎡あたりの価格を決めたのです。
構造とは、木造とか鉄筋(RC)とかのことで、
竣工年とは、新築した年のことを言います。
税務上の金額は、竣工年度に応じてバラつきがありますので、
目安ということで、大体の金額を以下に出しておきます。
これが、建物の1㎡あたりの再建築単価です。
木造・軽鉄造 12万円
鉄骨(S)造 15万円
RC(SRC)造 20万円
これに延床面積を掛けると建物の新築の金額が出ます。
そして、新築から経年劣化してきた分を差し引きます。
今の建物の残存年数分が、現在の建物の評価額になります。
新築時の価格を、耐用年数で割り戻すと1年間分の価格がでます。
その1年分の価格に、
耐用年数から築年数を差し引いた残りの残存年数分を掛け合わせると
今現在の建物(残存期間分)の評価額が出てきます。
例えば、築年数10年の木造アパート、延べ床面積500㎡
500㎡☓12万円=6,000万円が新築時の価格
あくまでも、税務上の新築の価格になります。
これを税務上の1年間分の価格に見直します。
税務上の価値基準である法定耐用年数を使って
その建物の1年間分の価値を求めます。
新築時6,000万円÷木造の価値22年間=約273万円/1年間の価値
今現在の税務上の価値は、残存の耐用年数。
残存耐用年数=法定耐用年数―築年数
この建物の場合は、
木造耐用年数22年-築年数10年=12年分の
残存価値があると税務上みなされます。
1年間分の価値273万円☓12年間=約3,300万円
この木造アパートは、税務上、
今現時点では、3,300万円の価値があるということになります。
500㎡☓12万円÷22年☓(22年―10年)=約3,300万円
【建物の価値=延べ床面積☓再建築価格÷耐用年数☓残存耐用年数(耐用年数―築年数)】
例えば、築25年の木造アパートの場合、建物の評価は0です。
では、この建物がRC造のマンションだった場合、
20万円×500㎡÷47年☓(47年-10年) =約7,900万円
また、築25年だったとしてもRCの場合は残存期間がまだまだあるので、
20万円×500㎡÷47年☓(47年-25年) =約4,700万円
これが銀行が融資する際の建物の評価額です。
◆今日の公式◆
【建物の評価=床面積☓再建築価格÷耐用年数☓残存耐用年数】
土地の値段と建物の値段を足した値段が「積算評価」になります。
では、以下の販売図面を見て、「積算評価」を出してみましょう!
売りアパート
①住所: 神奈川県相模原市中央区千代田1-7-1
②土地面積: 350㎡
③建物床面積: 500㎡
④築年数: 25年
⑤構造: RC造