今日は、決済当日です。
ついに。
ついに。
ついに。
普通は、銀行の個室を借りるもんなんですが、
月末で、空いていなかったみたいで、
窓口のあるロビーの隅っこにスペース用意して
銀行の中山氏、司法書士の先生。
売主の清水さん親子と大手不動産業者さん。
買主の僕に吉田氏と
何やら、吉田氏の師匠なる別の不動産会社社長さん。
少し前に、吉田氏とその師匠さんと一緒に打ち合わせしていたんです。
僕がいろいろあって不安がっていたら、
その師匠の方が、
「大丈夫!わしが今日の決済はビシーッと仕切ってやってやるから
君は何もしないでただそこに座っているだけで良いから。」
って。
吉田氏の師匠、凄く凄く小さなおじいちゃんなんです。
でも、凄く目立つ方なんです。
だって、テカテカ黒光りするスーツで、
黒っぽいワイシャツに真っ赤なネクタイ決めて
頭はポマード全快のオールバック!
襟元のマフラーはネクタイよりも真紅に。
時計は金。
指輪も金。
そして、歯も金。
吉田氏いわく、ガイセンシャを用意できるくらい凄い師匠なんだとか。
なるほど、あの時の言葉はこちらの師匠さんのお言葉でしたか。
って、
僕、余計、不安ですけど。。。
そんで、そこにいるのも微妙な空気なんで、
僕だけ銀行に向かいました。
そしたら、清水さんたちみんないて挨拶してたら、
吉田氏が来て、師匠たばこ買ってくるって、って。
すぐに、遠くにビシッと決まった黒光りの師匠の姿が。
でもね、全開だったの。
チャック全開だったな~、師匠。
しかも、堂々としてた。
多分、吉田氏含めた全員が気付いていたはず。
だって、堂々としてたもん。
本当に、未だに覚えていますよ。
もうね、不安過ぎて逆に「神」なんだけど。
今思うと、この師匠さんも吉田氏との間に1枚入っていたみたいで、
仲介手数料100万円くらい
師匠の会社名義での領収書を頂きました。
で、その窓口で、いろいろ振込用紙を書かされたら、
スペース狭いからって言われて、
僕と清水さん2人は缶コーヒー持たされて外に出されてました。
他のみんなで何百万とある現金の札束をバシバシ数えたり、
清水さんの抵当権者への入金があったかどうか確認したり
小一時間くらいやってました。
契約上の当事者2人は全くカヤの外で。
本当は、アレ、僕のお金なんだよね~
とか、思いながら、ガラスの外から覗いていました。
無事終了。
師匠は、現金を革のポーチに押し込んで何処かへ。
吉田氏は、これからまた誰かと契約するんだとか。
清水さん一行は、これから抵当権抹消の手続きに。
銀行員の皆さんは月末とあって
中山さんしかいなかったな~。
上司の方も支店長さんも始めだけ挨拶されてどこかに行ってました。
僕は、近くの神社にお礼参りに行って、
そのすぐ近くの保険会社の知り合いに
火災保険の申し込みに行きました。
それから、会社の現場作業に行くのは、今日は辞めにして、
相模原市に物件を眺めに向かいました。
しかも、最高の気分で!
・・・・・・それから、10日後。
日付は、2011年3月11日です。
3.11です。
東日本大震災。
このタイミングで起こるか、フツ―。
◆今日の公式◆
決済とは、現実にお金を動かし、登記を動かす事。
契約とは、売買の意思表示の事で、法律上はこの時に所有権が移転する。
登記とは、不動産が自分のモノだと世の中に主張できる抵抗要件。
買主は、売主との間では、売買契約日をもって
自分に所有権が帰属したと主張できるが、
他の第三者に対しては、登記をするまで所有権を主張できない。
万一、自分以外の誰かが先に登記してしまった場合は、
その物に対して所有権を主張する事ができない。
この場合は、売主に損害賠償請求ができるのみである。
少し、気難しそうな様子で書いてみました。
買主との売買契約日
銀行との融資契約日
現実に全部が動く決済日
この流れです。