前回の続きです。
【売買価格<積算評価】
◆不動産投資の公式 ~積算評価~◆
【積算評価=土地の値段+建物の値段】
銀行評価である積算評価を求めるには
土地と建物の公的な値段を出す必要があります。
では、公的な土地の価格とは何か?
簡単です。
今日のテーマ、
公的な土地の価格は、
【路線価】
というものを使います。
簡単に言うと、
土地所有者から税金を取るために作られた価格です。
税務署の元である国税庁が、毎年1月に、
この土地はいくらであると価格を決めちゃいます。
これを下に税金をとったりするのですが、
一般売買の根付の基準としても使われたりします。
土地の税金には「相続税」と「固定資産税」の2種類あって、
銀行の評価として使われる【路線価】の単位は
「相続税」を算出するときに使う【路線価】を基準とします。
「相続税路線価」とは、
相続税や贈与税の計算根拠となる路線価。
「固定資産税路線価」とは、
固定資産税や都市計画税、
不動産取得税、登録免許税の計算根拠となる【路線価】。
銀行が融資する際に評価の基準として使うのは、【相続税路線価】の方。
「路線価」とは、毎年1月に、
国税庁が発表する1㎡あたりの土地の評価額のこと。
「発表された路線価額×土地の㎡数=公的な土地の値段」
と言うことになります。
では、土地の【路線価】はどうやって調べるのか?
不動産販売の図面を見て、
その図面に書かれている不動産の土地の【路線価】は
何を見れば書いてあるのか?
【路線価】の調べ方は簡単です。
「国税庁のホームページ」で調べられます。
もしくは、「全国時価マップ」という
財団法人資産評価システム研究センターが
公開しているものでも調べられます。
【路線価】と検索すると国税庁の「路線価図」が
最初に表示されると思います。
「全国時価マップ」は少し下の方に表示されていると思います。
どちらかと言うと、「全国時価マップ」の方が
見安いのでこちらを使っています。
理由は、国税庁は地番表示で
時価マップは住居表示だから。
不動産の住所については次回お話します。
では、試しに、「全国時価マップ」で検索してみます。
最初の画面の右下の「→次へ」をクリック
ご利用にあたって画面右下の方の「その他」にチェックして「同意する」
これで日本の地図が出てきますので住所で調べることができます。
例えば、僕の所有する「第三清水ビル」を見てみます。
住所が、「神奈川県相模原市中央区千代田1―7-10」です。
調べてみましょう。
住所で一気に検索しちゃっても構いませんが、
ここでは、一つづつ絞り込んでいきます。
まず、「神奈川県」で絞り込みます。
「一覧から探す」でも「地図から探す」でもどちらでもOKです。
神奈川県全土の地図に絞り込まれました。
更に、「相模原市中央区」を絞り込みます。
神奈川県相模原市中央区まで絞られるとこの画面になります。
次に、町名「千代田」まで絞り込みます。
次に、「1丁目」をクリック。
次に、番地の「7」をクリック。
その地図の上の部分に3種類のメニューバーがあるのわかりますか。
「固定資産税路線価等」・「相続税路線価等」・「地価公示・地価調査」
の3つの項目のうち「相続税路線価等」の部分をチェックしてください。
それと最新年度かどうかもチェックして下さい。
(この時は、平成26年度が最新でした。)
これが、神奈川県相模原市中央区千代田1丁目付近の
平成26年度版の【相続税路線価】の地図です。
ちょっと、縮尺が小さいのでもう少し倍率を大きくして
不動産(千代田1-7-1)を特定したいと思います。
縮尺を1/1500にして、不動産が特定できました。
千代田1-7-1です。
1丁目7番地の全体の左上の角の不動産になります。(1丁目7番1号)
その目の前の道路に矢印が引かれていて、
その矢印部分に数字とアルファベットが書かれていると思います。
「145D]
この数字が【路線価】です。
青い矢印が引かれた道路に面した不動産の1㎡あたりの【路線価】です。
千円単位での表示となります。
1-7-1の不動産の【路線価】は1㎡当たり145千円となります。
14万5,000円です。
この土地の面積が352.33㎡あります。
14万5,000円☓352.33㎡=5,108万7,850円
この金額がこの土地の路線価になります。
これは、あくまでも税務上の基準であって、
実際の現実の取引とは全く違います。
また、いびつな土地だったり、
2方向以上路線があったりした場合、
きちんとした評価額を算出するには補正計算なるものがあります。
でも、ここまできちんとした計算を使う必要はないです。
あくまでも、銀行のおおよその目安を知るだけですので。
2つの道路に接している土地の路線価計算は、
奥行補正をして、高額となる方の路線価を有効として、
更に、価格の低い方の路線価も補正計算し直して
2つの路線価を合算して計算します。
でも、取り敢えずの目安を出すだけで良いので、
高い方の価格の路線価を目安として計算してみて下さい。
そこまで正確に複雑に計算しなくても大丈夫ですので。
ちなみに、アルファベットは何か?
「145D」のDとは?
ということですが、あまり関係がないので参考程度ですが、
借地権の割合を示しています。
アルファベットは全部でA~Gまであり
借地権の割合がAが90%~Gが30%まで10%刻みで分かれています。
Dの場合は、60%になります。
14万5,000円の60%は、87,000円になります。
この金額が、税務上の借地権の評価額という意味です。
ただ、借地権の割合を使うことはほぼ無いので
アルファベットは飛ばして考えるようにしてください。
これで土地の評価の値段が出るのです。
簡単ですよね。
◆今日の公式◆
【土地の評価=土地の面積☓相続税路線価】
では、建物の評価とは?